発信したいイメージを戦略的に操作することを狙い、視覚的な情報の全体を何らかの形で統合、関連づけるため、デザインをトータルにシステム化したもの、それを私たちはトータルデザインと認識しています。一定のデザインのルールをつくり、ルールに従ってデザインされたものは、その全体、あるいは一部に共通のイメージを持つことになります。同じイメージのもの(トータルデザイン)を繰り返し何回も伝えることより、受け取る側の意識の中にイメージが蓄積されるという効果が生じます。デザインのルール、つまり、トータルデザインシステムを導入することにより、あらゆるコミュニケーション方法を円滑にかつ効果的に展開することが可能になると考えます。しかし時に私たちは、このルールを簡単にはずしたり、変えたりする場合があります。よりクリエイティブな方向を目指した時、地域性を見つめた時、ルールよりも必要なものが見えてくることがあるからです。グラフィックデザインを主としてきた私たちがあえて建築デザインの提案も行うようになったのは、トータルデザインからの自然の流れに他なりません。建物が強烈なアイキャッチャーと言っても過言ではないし、器である建物と、他のデザイン分野、例えばグラフィックデザインとの融合がバランスよく効果的になされたときに、はじめてトータルな一貫性のあるデザイン展開が実現出来ると考えられます。
It is our aim to take a desired image and manipulate it strategically.
In order to do this, we take a systematic approach to design,
integrating and connecting all the visual information in some overrall pattern. We call this approach "total design". First, we formulate a specific set of design rules, so that whatever is designed according to those rules will, either as a whole or in part, share the same identity. By repeating and reinforcing the same image through this total deign approach, it becomes more powerfully fixed in the viewer's consciousness. Creating design rules and adopting a total design approach, enables us to utilize all kinds of communicative methods in a smooth and effective way.
On the other hand, there are times when we deliberately choose not to create a set of rules, orto step outside the rules which we have made. Sometimes, when weare seeking greater creative, or a particular regional flavor, we come across things which are more important than our own rules.